2019年01月31日

第27回じゃこむすびの会★句会報

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第27回じゃこむすびの会★句会報

去る2018年12月20日(木)、
第27回俳句であそぼ☆575「じゃこむすびの会」
尾道の新開にある焼き鳥屋「村一番」さんにて、無事開催終了致しました。

村一番さんは、その昔遊郭であった歴史ある建物で・・・
これまでにも、数多くの文化人が集って来られ、
2階の間も、その襖や壁に色々な著名な方々の絵や文字が描かれてをり、
それらを拝見するだけでも、一見の価値ありの空間です。
そして、1階で大将さんが1本1本丁寧に炭焼きで焼かれる焼き鳥が美味しいのは勿論、
2階では、網焼きならではの特別部位も食すことができるということで、
村一番特別.jpg村一番2階焼き鳥.jpg
忘年会を兼ねたこの回は、皆さんまず食い気に走れ!!の納め句座でもありました。

それでは、参加9名(うち1名投句無し)、欠席投句2名、計50句の句会。
兼題は【焼き鳥】(5句中1句はこの題で出句原則)
さて、結果はいかに。。。

今回も、参加者の皆さんに最終選んで頂きましたお気に入りの5句を、
それぞれに予め順位付(1番5点・2番4点・3番3点・4番2点・5番1点)して頂き、それを完全点数換算させて頂きまして、『本日の人気句』の結果を導きました。
(※主宰がいる場合は参加者の互選の後、主宰よりその日の特選・入選句の発表有)

それでは、まずは第27回じゃこむすびの会の上位得点句をご紹介致します★

teitei (2).jpg 表装表具師でもあられる亭々さん
金賞(16点) 年流る壊れし山はそのままに 亭々
山だけが崩れたのではなくて人命や地域共同体、生活それ自体、会社、目には見えないところにも及んだ豪雨であった。それは崩れたというより壊れた。崩れ、壊れるという語があるけれど、崩壊し損なわれてしまったもの、覆水盆に戻らず。然し、年流るという季語は奥深いな。無償性というものが共同体の核であることが認識させられた豪雨でありました。政治の質の悪さも見せつけられました。(後日本人談より)

銀賞(13点) 庭先の空に映えたり木守柚子 朴生

銅賞(10点) 反抗期こたつもぐりて休戦か 桜子
(※推敲例 反抗期と言い切ってしまうともうそれまで。反抗のこたつもぐりて休戦か ぐらいに) 

2018年の納め句座、受賞者の皆さんおめでとうございました!!(^−^)

続きましては、参加者の互選の一番句の発表です★★

亭々 選 
遊郭のなごりの間らし襖かな 依子
(※この句、後日師より 遊郭のなごりの間なる襖かな に添削頂きました。参考迄)
襖にも襖の歴史があり、今日らしい一句。

一雄 選 
海満ち來瀝青となる寒夜かな 古乃子
これうまい!漢字の強さ。海・満ち・來、正しい字を使っている。
瀝青(れきせい)=アスファルトと読んだ。昔顔料で使っていたのが、黒くてねばっこい。
→寒夜=非常に強い言葉、凍る寸前の海という感じ。漢字・字面ビジュアルがかっこいい。by亭々

朴生 選 
スタンプって言葉未満ね冬の月 古乃子
現代的。初めて現代的な句がわかった。未満は恋人未満かな。
→LINEのスタンプで返すっていう意味じゃないかな。言葉には満たないスタンプのコミニュケーション。
 この気づきは、10代の気づきじゃないですね。by睡々
→短歌がやってしまっていることを、俳句はしないでもいいのじゃないの?by一雄
→最後の季語が唐突というか、動くような気も…。by依子

古乃子 選 
除夜の鐘一打一里の海渡る 一草
向島に住んでいて除夜の鐘が聞こえてくる。たかが数百メートルだけど、除夜の鐘を詠んでるなと思いました。

桜子 選 
何やかや起こりし年の師走かな 朴生
実際身に感じたことだな。向島の逃走に始まり・・・色々あった1年、今年の出来事だったなと思い出した。

転児 選 
数え日や面取り持たぬ処刑椅子 亭々
面取りを持たないずらっと並んでいる冬場の料理。面取りしない、していられないぐらい並んでいる料理。
→死刑執行までの数え日、椅子が硬いという意かと。by古乃子
→面取りは、いつも気取っている顔を外し、素のままの普段の顔が顔を出す意かと。by桜子

えや 選 
庭先の空に映えたり木守柚子 朴生
いつものように、婆ちゃんが死にましたよ。婆ちゃん死んだ庭、近くの婆ちゃん家の庭、柚子を取りに行って1個残しました。後日やっぱり気になって行ってみたら、これが家を守ってくれとると・・・婆ちゃんありがとう。
→これちょっと素地として報告俳句である。そんなことがありました!だけの…。さて、報告俳句の捉え方なんでしょうが。by一雄
→私は美しい俳句と思いました。by古乃子

睡々 選 
年流る壊れし山はそのままに 亭々
年が流れると壊れるは、感じが似すぎるが、あまりに今日の句句だ。壊れしというのは、引いてみているという感じがする。感傷的でないのが良い。飛行機からの景色。冷たいようだけど実感がこもっている。夏から遠さを経ている感じがいい。すっごい長い歴史的普遍がいい。
→忘れた部分、ここまだあの時のままだった。by古乃子
→年流るがいいと思った。国破れて山河あり。by一雄

依子 選 
クリスマス飾りに毛むくじゃらもゐて 睡々
感覚的に選んだ。クリスマスと毛むくじゃらという取り合わせが新鮮。ツリーの星のもとに色んなものがいるリアリティがいい。

それでは、参加者の本日の一句をご紹介します★★

焼き鳥の羽音させたる露地に入る 亭々 
うちわの仰ぐ音…。

存在の彼方まばたく聖夜星 朴生
扉村茂樹の文章より…。

白猫と冬青草とやぶれ鉢 古乃子
→鉢、破れる?の表現に推敲の余地がありそうな…。by依子

十二文字退職願い冬の月 転児
一身上の都合により退職す。

クリスマス忘れることも許されず 桜子
現代はどこもかしこもクリスマス…。

かゆいかゆいしもやけ湯に入りかゆいかゆい えや
→えや調(笑)by依子

灯火や極夜の朝のクリスマス 睡々
北欧。極夜(きょくや)は静かの極限…。

焼き鳥や手酌で偲ぶ彼の日かな 一草
(※推敲例 手酌に偲ぶ 「で」はできるだけ避ける方が)

天よりは御使ひなりとふ冬の鳥 ゆげる
(※推敲例 天よりの使ひにありぬ冬の鳥 天よりの使ひにあらむ冬の鳥 まずは素直に基本型に)

焼鳥の串の数ほど噂かな 依子

冬に入る美術解剖学教室 一雄

〜以上〜

また、今回は12月が誕生月の主催者巫 依子の為に。。。
皆さんがサプライズでお誕生日祝いまでご準備くださり、
本当にただただ有難いばかりの、納め句座になりました。
この場を借りて、改めてお礼申し上げます。。。感謝。
オマケ画像♪
 27回誕生日ケーキ.jpg27回誕生日皿.jpg 惠谷さん作の祝皿

俳句は、とにかく季語を入れて5・7・5にすれば、ひとまず形になります♪
また俳句は、ひとりで作り続けるものでもなく・・・
やっぱり「座の文芸」だなと思っております。
句会の後、句を通して色々想像したり・・・お話するのもまた楽しいひと時です。
いきなり、上手な句を詠もうとせず(笑)…まずは気軽に参加してみて下さい♪♪♪

じゃこむすびの会の開催は。。。基本偶数月の第3木曜日19時です。
その季節の季語(歳時記参照)の入った句を5句作って来て下さい♪♪♪♪♪
初心者・飛び込み大歓迎の会ですので、お気軽にどうぞ♪
会場等詳細は参加者におって連絡させて頂きます。

ちなみに次回開催今年最初の初句会は。。。

会場:尾道居酒屋「なお吉」2階
開催日時:2019年2月21日(木)19時〜
参加費:お料理3500円+別途各自ドリンク代(+お気持ち会費)
兼題:「春隣」(※5句中1句必須)
俳句締切:基本前々日の事前投句制 2019年2月19日18時!!!
欠席投句可:参加費用500円

参加ご希望の方は。。。
TEL 0848・46・6287
e-mail aroma-senju@aroma-senju.sakura.ne.jp
(※件名に「じゃこむすび」と入れて下さい)          
  

posted by Senju at 13:58| Comment(0) | ◆気ままに十七音
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