2020年04月17日

第35回じゃこむすび★句会報

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第35回じゃこむすびの会★句会報
去る2020年4月16日(木)、
第35回俳句であそぼ☆575「じゃこむすびの会」、メール投句制句会にて、無事開催終了致しました。

新型コロナウイルス感染防止外出自粛バージョンということで、
今回皆さんのお顔はリアルで拝見できなかったものの・・・
あらためて「俳句」を通して、同じ時間を共有できましたこと、大変嬉しく思います。
またこの度は、別で開催中の「一汁一飯まだまだ俳句勉強会」のメンバーさんでもある・・・
くにくにさん、十豆加(ととか)さんのお二人も参加下さいました♫
この場を借りて、改めて参加頂きました皆様に感謝致します。

それでは、総勢10名によるメール句会。
さて、結果はいかに。。。

今回も、参加者の皆さんに最終選んで頂きましたお気に入りの5句を、
それぞれに予め順位付(1番5点・2番4点・3番3点・4番2点・5番1点)して頂き、それを完全点数換算させて頂きまして、『本日の人気句』の結果を導きました。
(※主宰がいる場合は参加者の互選の後、主宰よりその日の特選・入選句の発表有)

それでは、まずは第35回じゃこむすびの会の上位得点句をご紹介致します★

金賞(21点)不確かをのどかと呼んでみてひとり 睡々

銀賞(14点)人消えし街や春月あるばかり 依子

銅賞(12点)引っ越してはじめて買ひし桜餅  十豆加

睡々さ〜ん、ぶっちぎり金賞!!おめでとうございま〜す♫
こちらにいる間に、是非「釘彫り」して下さ〜い!!!
続きましては、参加者の互選の一番句の発表です★★

ゆげる 選 
ぎしぎしのしち面倒臭さに泣く えや
取っても取ってもしぶとく生えてくるぎしぎし。まさにしち面倒くさい。その苛立ちがストレートに詠まれている。
亭々 選
桜散る石の仁王の力こぶ  ゆげる

シンプルな作りですが様々な要素が孕まれた印象深い句だと思います。

なぜか満開の桜時を行きそびれた力ない作者と、お寺の石段を降りたところの両脇にあの世とこの世との境界の門番の如く立っている石の仁王との対比があり、その石の仁王の力こぶからわけもわからず勇気のようなものをもらった場面が鮮やかでリアルに書きとめられていると思った。散る桜は死であり石の仁王の力こぶは生であり、その狭間にいることに可笑しさを感じた作者のリアル。

古乃子 選 
人消えし街や春月あるばかり  依子

現実を美しく写生していると思います。「消える」という言葉にある不可思議な感じや不安感もいいし、春月(しゅんげつ)と詠むことで出てくるシャープさが客観性を際立たせているように思います。春の月や朧月ではこの感じは出なかったと思います。

えや 選 
不確かをのどかと呼んでみてひとり 睡々

不確かな事をのどかと考える事は気持ちを安定させようとしている気がする

『呼んでみて』なのに『ひとり』な事で不安を肯定しながら余計に不安になっている様な感じ

続けて詠むと、『ひとり』の部分が浮きだって強調される感じが好き

情緒不安定か!って感じが好き そうなると『呼んでみて』が情緒不安定さを際立ててる様な気がするね

睡々 選 
引っ越してはじめて買ひし桜餅  十豆加

シュークリームでもだめ、柏餅でもイマイチでここはやっぱり桜餅。桜餅は地域によっても、お店によっても形や味が違う。新しい土地で、見つけたささやかな甘いもの。

小さな幸福を積み重ねていく、そんな輝く未来への期待と、新生活への前向きな気分を感じ、春いっぱいの一句だなと思い、選びました。

桜子 選
別れ際流れて行けよ花筏 くにくに

「別れは黙って受け入れるのが男の美学」的なデリケートな心理が切ない(;ω;)

舟々 選 
不確かをのどかと呼んでみてひとり 睡々

言い表せぬ漠然とした不安がある。

そこから目を背けるかのように「のどかである」としてみたが、

それによって麗らかな春の中にある孤独が、より際立つ様子が面白いと思った。

くにくに 選 
不確かをのどかと呼んでみてひとり 睡々

作者の意図は定かではないが、不確かなことを「のどか」と表現する作者の感性に意表を突かれ、それもまた真実だと思わせる魅力がある。

十豆加 選 
人消えし街や春月あるばかり  依子

尾道の、夜中に誰もいない商店街の風景や、黒い海、なまなましい月の情景が浮かびました。自粛要請で各々が家で息を潜めている、誰もいなくても気配はあるような。私には、この時の雰囲気ごと記憶に残しそうな句です。

依子 選 
人工の分布と推移はないかだ 十豆加

人工は人口の誤変換では?連日放映される新型ウイルスコロナのパンデミック関連ニュース。その際、画面に映し出される世界地図。せっかく花筏を見ていても、その地図のような形成に、連想されるのはやはり、人口の分布と感染症による影響人数の推移とは・・・今しか詠めない取り合わせ。


それでは、参加者の本日の一句をご紹介します★★

つきまとふ助平心花の宴 ゆげる
実に素直でいいですね(笑)また、今回の仁王の句は、亭々さんの鑑賞の通り、季語との対比が実に素晴らしい!!最初の頃に比べ、だんだん俳句的省略でもの云う思考になって来られましたね。

囀りや宇宙に意味などなくてよし 亭々
囀りに意味はあるのかな・・・と、最近思ったばかりでしたので、まさに!!
今回、耳鳴りの在り処の如し月朧の句もユニークな視点でしたね。

親父たち押しのけ山の新芽立つ 古乃子
最近少〜し観念的(頭で作る)な句に寄りがちにも思いますので・・・
今一度、俳句は「客観写生」の立ち位置も大切にしてみて下され♫この句は、写生がきいてますね。
あと 春雷や海酒に沈む恋もある は、梅酒も季語なのでもったいない感じです。

すかんぽの咲く頃鼻歌に歩く えや
のどかな感じがいいですね。咲く頃まで云わなくても、すかんぽや〜で切るでもいいかも。
ぎしぎしの句も、リアリティーがあって良かった!
ひと雨ふた雨地獄の釜の蓋 は、ユニークだけど季語がない?

伸びた手を掴めぬままの春の夢 桜子
意味深な夢でいいですね〜。
他の句・・・575の中8の句がちょいちょいあるので、初心者の頃は定型リズムに合うようもう少し推敲してみて下され♫

長閑さや猫に手を振る画面越し 睡々
現代俳句ですね!!
今回の金賞句は、呟きのようなリアルさがあったので良かったと思いますが、俳句は観念的な作り方に偏ると最後には色褪せていくので、いつも「客観写生」のリアリティーは大切にしてて下され♫

花の雨さびしんぼうの笑むやうな 舟々
大林宣彦監督追悼句ですね。「さびしんぼう」を括弧でとじる方がより伝わるかな。

窓越しの明るき声や桜土手 くにくに
人気句でしたね。
散り乱れ浴びる桜の無限大 も飛躍があっていいですね。どんどん作って♫

便せんにさらすこころや春の泥 十豆加
なかなか心理的な句・・・春のが救いですね(笑)又是非リアル句会参加も♫

世を見据え神話の里の山桜 依子
人の世は本当にどうなっていくのでしょう・・・。

〜以上〜
皆さんいつも本当にありがとうございます★★★

俳句は、とにかく季語を入れて5・7・5にすれば、ひとまず形になります♪
また俳句は、ひとりで作り続けるものでもなく・・・
やっぱり「座の文芸」だなと思っております。
句会の後、句を通して色々想像したり・・・お話するのもまた楽しいひと時です。
いきなり、上手な句を詠もうとせず(笑)…まずは気軽に参加してみて下さい♪♪♪

じゃこむすびの会の開催は。。。基本偶数月の第3木曜日19時です。
その季節の季語(歳時記参照)の入った句を5句作って来て下さい♪♪♪♪♪
初心者・飛び込み大歓迎の会ですので、お気軽にどうぞ♪
じゃこむすび句会では、金賞に選ばれた句は、
只今陶芸家の惠谷幸史さん作「豆皿」「句を釘彫り」にしてプレゼントも致しております♪

ちなみに次回第36回じゃこむすび句会開催は。。。

開催日時:2020年6月18日(木)
開催場所:尾道居酒屋「なお吉」2階を予定
参加費:お料理代3500円他各自飲み物代+お気持ち会費
俳句投句締切:基本前々日の事前5句投句制 
       2020年6月16日(火)18時厳守
       ymiwsk0831@gmail.com 宛

お問い合わせは
TEL 0848・46・6287
e-mail aroma-senju@aroma-senju.sakura.ne.jp
(※件名に「じゃこむすび」と入れて下さい) 
Facebook 市村麻依(巫 依子)メッセージにて。  
      
posted by Senju at 12:35| Comment(0) | ◆気ままに十七音
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